失敗しない柴犬の子犬の選び方

失敗しない柴犬の子犬の選び方

柴犬の子犬を家族として迎い入れたとすると15年前後はお付き合いする事になりますので、この期間、楽しい関係を維持するには、まず本質的に優れた良い子犬を選び育てる事が大切です。

その参考になればと思い、記載させて頂きます。

良い子犬の条件

血統の良い子犬を選ぶ

「カラスの子には鷹はいない」とか「瓜のつるにはなすびはならない」とか親子の血筋の大切さを教えた諺があるとおり、血統の良い子犬である事が第一条件です。

柴犬の世界では、「トンビが鷹を生む」ような事は皆無です。

血統は、日本犬保存会やJKCが発行する血統書から判断します。

遺伝の法則としては、子犬に最も影響を及ぼすのは両親ですから当然重視する必要があります。

次いで、2代、3代の順に祖先はどんな犬であったかを検討していく必要があります。

この事から、血統を重視し、雌(雄)の欠点を補うような種雄(台雌)との交配をしているブリーダーから迎えたいものである。

うちは、ペット用に子犬を作っているから血統など関係ないよ、というブリーダーがいたとしたら、最初から良い犬を作ることを放棄しているようなものである。

「良い柴犬ブリーダーの見分け方」はこちら

健康で性格の良い子犬を選ぶ

性格面

まだ、よちよち歩きしかできないくらい小さい子犬は別ですが、何頭か子犬がいたら、人が手を出すと喜んで来るような子犬が気性がいい。

怯えて後ずさりしたり、目をそらしたり、白目をむいてしまう場合は、怖がりです。

怖がりな子を迎えてしまった場合は、出来るだけ早い時期から人が触ったりスキンシップをして慣れさせてあげるといいでしょう。

身体面

肉球

まずは肉球の色。つやつやと真黒な肉球は、その犬の色素が濃い証拠である。

触ってみて、肉球に弾力があるのは、足の握りがしっかりしている証拠である。

頭と耳

頭の形が全体的にきれいな丸みを帯び、小さく厚みのある耳がしっかり前向きで付いていること。

正面から見て耳が横に開きすぎてない事が重要である。

子犬のころの額段(ストップ)はやや深めなのが望ましい。

耳が立たない柴犬は存在しません。成犬になっても耳が立たない柴犬がいたとしたらその子は他の犬種の血が混じっていると考えられます。
犬の良し悪しは、耳の立つ時期が早いか遅いかではなく、耳の向き、形、大きさで決まってきます。

毛の生え方

見た目に加え、子犬の毛を逆立てて毛がすぐに跳ね返ってくるようなものが毛の密度が高いとされている。元来の犬の質はもちろんのこと。

管理者のこまめな手入れが重要になってくる。逆に毛がペタンと寝てしまっている場合は毛の密度が少なく、毛を起こすだけの力も弱いということである。

立ち姿

見ると全体的に均衡が取れ、肩、前腕、胸部がしっかりしている。写真のように踵はかたく握り込まれ、子犬であっても力強い立ち込みをするのが理想。

背骨はまっすぐで力強く、充実して緊密な骨格であることも美しい立ち姿のポイントである。

皮膚

背中の毛をかき分けてみた時に、地肌が白い子犬は皮膚が健康な証拠。

この地肌がピンク色している場合はアルルギーの可能性もある。アレルギーは母犬に出てなくても系統犬に遺伝していることもあるので注意が必要である。

肛門

子犬の健康を見る上で、肛門のチェックすることも重要である。

肛門が汚れている場合は、下痢を引き起こす何らかの体調不良を抱えていることにもなる。

なお、母乳の影響が残っている場合は、ウンチは柔らかい。

眼は丸過ぎず、やや三角形で子犬ながらも適度に切れ上がり、濃い褐色のものがよしとされている。

また眼の間も広すぎず狭すぎず、写真のようなバランスだと力強い眼の表現ができる。

頭の丸み、耳の付き方などと密接な関係にあるのが柴犬の眼である。

持った感覚

体の大小に関係なく、持ち上げた時見た目より重く、体がしっかり詰まっていて固い感じの子犬が健康な証拠である。触り慣れてない子犬は別だが、持った瞬間に耳をビクビクさせたりせず、どっしりと構えている子犬のほうが気性はしっかりしている。

子犬の体重が軽く、小さいことをメリットであるかのごとく強調しているような場合は健康面での不安が募るので注意が必要である。
内蔵がしっかり出来ていない場合は下痢しやすい体質の可能性もあり、肛門周囲に下痢で汚れた痕跡が無いかのチャックは欠かせない。また毛がペタッと寝ている場合もあるが毛を起こすだけの力がないと言うことの証明でもあるので出来れば選択されないことをお勧めする。

あごの周囲

子犬の頃は顎周りに黒い毛が多く生えていても、所々毛が白く抜けている部分がある場合は、半年位であごの周りの黒毛はきれいに抜けてくる。

あごの周りが真黒の場合は、時間は多少かかりますが、よく見て下に赤毛がる場合は、のちに赤、何もない場合は、白く抜けていきます。

歯、歯ぐき、唇の色

永久歯になれば上下合わせて42本になる。ただ、子犬の内は切葉、犬歯、は臼歯しかないが、切歯は上下6本ずつある事を確かめておく。

また歯ぐきの色はきれいなピンク色で健康であること。

舌の色も濃いことが望ましいとされている。

母犬

一見やせ細ってかわいそうに見えるかもしれませんが、母犬がやせているということは、それだけ母乳がたっぷりと出て子犬が健康に育っている証拠である。

雄にするか雌を選ぶか?

雄と雌では、体格も違います。

また運動量も違い、雌2,3頭と雄1頭が同じくらいの運動量です。

十分な運動管理が出来る飼い主様であれば、雄犬でも良いでしょうが、難しいようでしたら、犬がストレスを感じてしまいますので、くれぐれもたまたま気に入った子が雄だった、雌だったという発想ではなく、事前にご家族で雄にするか雌にするか決めた上で子犬探しをすることをお勧めします。

赤毛、黒毛、白毛、胡麻どの色の子を選択するか?

全体の8割が赤毛が占めます。黒毛は1割、白毛も1割、胡麻毛は殆ど生まれません。

赤毛同士で交配していくと数世代すると色素が退化していきますので、黒毛の柴犬との交配を行い、色素の退化を補っております。

黒毛になりそこねた子が白毛として生まれます。

柴犬の子犬の毛がそのまま成犬まで続くと考えている一般の人が多いですが、成犬の毛は全く違います。

赤毛の場合、年をとるにつれ色素は退化していきますので、子犬の時から成犬のような綺麗な赤毛の場合、2,3歳位から白毛が目立つようになります。

(下記写真左 生後50日位、右生後2才位)

展覧会では、色素が薄いのは良しとされていないので、玄人は子犬の頃、色素の濃い仔犬を選択する傾向があります。(鼻黒など)


(写真左から 生後49日、生後4か月、生後1歳9か月)

黒毛の場合、最近黒柴ブームで、標準からかけ離れているにもかかわらず種雄に使用したり、台雌にする繁殖者が横行しております。

両親共に黒毛の場合、どちらの綿毛とも白毛がしっかり生えていることが重要です。

赤毛の柴と同じように、最初から成犬みたいに綺麗な柄をしている黒柴の子も系統により希におりますが、子犬時は比較的柄は目立たない子の方を玄人は選択します。

代々出産した黒毛の子がどう毛色が変化しているかよく知っているブリーダーの仔犬を選択しましょう。

白毛の場合、最近は、ソフトバンクのCMの影響で人気ありますが、展覧会では白毛は認められていないので、展覧会目的で作出しているブリーダー様はできるだけ白毛の子犬は生まれないように交配する柴犬に注意を払っております。

元々色素が退化して生まれてきた子ですので、鼻黒の子犬は稀少です。

また、子犬時に赤毛が目立つ事、あまり目立たない子がおりますが、どちらの子も年2回の換毛期に赤毛が目立つ時期、目立たない時期を繰り返し、年齢と共に徐々に白くなっていきます。

胡麻毛の場合は、赤毛、黒毛、白毛がほどよく混じった状態の色です。

殆ど生まれないので、なかなか探すのは困難でしょう。

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